私の住んでいる場所は、ファミリー層が多く単身者や他の地域から移ってくる人が少ない、のどかな地域です。ある日、普段より30分早い電車に乗ろうと駅に向かうと、そこには30~40人程度の東南アジア系の若者がいました。見慣れない光景にびっくりしたのですが、何かのイベントがあったのかな?と思っていました。しかしまた別の日にも同じようなことがあり、近所に住んでいるんだなと気づきました。皆揃って同じ電車に乗り、同じ場所に向かっている様子でした。私はこのとき、こんな田舎に住んでるんだ、という驚きと共に少し嫌だなと感じてしまいました。自分でもそんな感情を抱くことがとても意外でしたし、そんな風に感じる自分を嫌な奴だと思いました。でも、数人見かけるだけなら驚きも無いのに、大勢住んでいるとなると気になってしまったのです。それは、今まで通りの暮らしが出来なくなるんじゃないか、とか何か攻撃されるんじゃないか、という根拠のない不安です。民族間で紛争が起きていたり、人種の違いで特別な感情を抱きあったりすることが、今までの自分には理解できませんでしたが、実際に目の当たりにすると少し怖い感情が芽生えました。彼らをよく見ると、きちんと2列に並び静かに電車に乗っていて、ほかの日本人と何ら変わりありません。そこで想像をしてみました。その人達が隣に住んでいたり、同じ職場で働いているところを。すると、その人達と私は仲良く話しているのが想像できました。相手の外側しか見えないと、勝手な思いを抱いてしまいがちですが、中身が見える関係性なら、きっと無用な不安を抱いたりしないのではと思いました。見慣れないものや聞き慣れない事には拒否反応を持ってしまいがちですが、自分の見方ひとつで変わるし、そのネガティブな感情がいかに無駄かを考えさせられる出来事でした。実際に世界で起きている民族紛争はそんな簡単な問題ではないと思いますが、その根底は一人一人の人間の感情だと思ったので、まず自分はフラットな感情でその人自身を見られるようになろうと思いました。日々の生活でも先入観を持たずに人と接することを心掛けていきたいです。