新人だった頃のこと

入社して1年半が経ちます。
今まで働いた会社では自分よりも後に人が入ってくることが少なく、仕事を教えるということがあまりありませんでした。
Foritに入ってこの1年半で新たな方が入社してきて、私の部署にも新たなメンバーが増えました。
『仕事を教える』という機会が増え、『仕事を教える』ということについて考えるようになり、
自分がこの業界に入ったときどうやって仕事を教えてもらったんだろう?と振り返っていました。

24歳でアパレル業界に入って働いた会社は同じ職種の先輩はいなかったので上司であるMDが私に仕事を教えてくれました。
その方はカリスマ的な方でしたが私が入社した際には、末期のがんで休まれることも多く、歩くのも大変そうな状態でしたが本当に仕事が好きなんだなと伝わるくらい情熱のある方でした。
同時に最期までしたいことがこの仕事なんだと思ったことはただただすごいなと思ったことを覚えています。

でも振り返っていると具体的なことを教わった記憶が出て来ません笑
初めて任されたなと思ったのはクレームが起きたお取引先へ謝罪に行くということでした。
その時は正直「え?なんで私が?」と思いましたが、渋々謝罪に向かいました。
謝罪し今後の取引も続けてもらえることとなった後、そのお取引先を一手に任せてもらうことになり、商品を企画するところから納品するまでを主体となってさせてもらうことになりました。
補佐が私ではなく、上司が補佐のスタイル。
方向性を見失っていると助言してもらい、わからないと相談して教えてもらう。見様見真似でした。
当時はできないということを言うことが恥ずかしくてわかったフリで乗り切ったことが多々あったのですが、今思うと右も左もわからない私に
任せる形でよく仕事させてくれたなぁと思いました。
私がミスすればもちろん上司の責任になるわけです。任せるって難しいなって思います。
本当にしんどかったけど、たくさんの経験もさせてもらいました。
この時があったから割と色んなことができる様になり今も大好きなこの業界でお仕事をさせてもらえています。

人に仕事を教えることってすごく難しい。
過保護に教えることがいいわけでもない。でも、ほったらかしがいいわけでもない。自分が全部正しいわけじゃない。
一つ間違えば相手の能力や自由な発想を奪ってしまうかもしれない。
すごく難しいなと思います。

上司は入社3年目ぐらいに亡くなりました。
でも、この方と仕事ができて良かったと心から思っています。
当時は文句もたくさん言っていましたし投げ出しかけたこともありましたが、その方と仕事できたことは本当に自分の財産になったし、いいことしかなかったと思っています。
仕事のことを考えるときはいつもその時を思い出します。

上司のことを振り返って、この人と一緒に仕事がしたいとか、一緒に仕事ができて良かったと思われるような人に自分自身がなっていきたいと改めて思いました。